
2011の就職ナビを考えてみる
期間制限があるために、どれほど多くの派遣労働者が迷惑を被っているか(もっぱら派遣元を規制対象とすることから、派遣労働者が派遣元を変更することにより派遣就業を継続することがこれまで認められてきた、旧適用対象業務(26業務)に対する行政指導にもとづく3年の期間制限についても、派遣元の変更が往々にして賃金引き下げの口実とされやすいといった問題がある。
かつて派遣スタッフとして働いた経験をもち、現在もスタッフとして働く多くの友人をもつ者として、現行の期間制限が、派遣の現場で働く者にとっては迷惑以外のなにものでもないことを強く訴えておきたいと思う。
さらに、改正派遣法の施行に1年遅れて2000年12月1日には紹介予定派遣がスタートすることになったが、紹介予定派遣とはいっても、あくまで派遣就業期間終了後の派遣先への職業紹介(就職)を予定したものにすぎず、派遣就業期間が終了するまでは派遣先・派遣労働者の求人・求職の意思等の確認や、派遣先による求人条件等の明示が原則として禁止されている(派遣就業終了予定日の1週間前からは、特例としてこれを行なうことが認められるが、派遣先による派遣労働者の採用内定にはこうした例外も認められない)こと(厚生労働省(2001)に注意する必要がある。
その背景には、派遣先に「雇用させることを約してするもの」を、派遣法にいう労働者派遣ではなく、前述したように職業安定法が事業として行なうことを禁止する労働者供給に該当するとした現行法の仕組みがあり、そこにメスを入れないかぎり、現状は大きく変わらないといった問題もある。
また、派遣就業期間中は全面的に派遣法が適用されることを理由に、紹介予定派遣の場合にも、改正派遣法が新設した「派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止」規定(派遣先の努力義務規定、改正派遣法26条7項)を根拠として、派遣先による事前面接が現在は禁止されているが、そもそも事前面接については、労働者供給事業の禁止規定(職安法44条)に抵触するおそれがあることを理由にこれが禁止されてきた、というこれまでの経緯にも目を向ける必要がある。
日本人材派遣協会が2001年春に実施した「派遣スタッフ就労状況調査」も、事前面接の禁止が派遣期間の1年制限に次いで、派遣スタッフの不評を買っていることを明らかにしているが、紹介予定派遣についてまでこれを禁止するというのは明らかに異常というほかはない。
ただ、問題の解決を図るためには、労働者供給事業の禁止それ自体を見直す必要はかならずしもなく、労働者派遣を労働者供給の例外として位置づける現行法の仕組みを改め、両者を相互に独立したものとして定義し直せばそれで足りると筆者は考える。
二重雇用が使用者としての責任を暖昧にするという指摘は納得できない(派遣元とのあいだに雇用関係があることは派遣法上明確であり、同法自身、労働基準法等の適用にあたっては、派遣先が使用者としての責任を部分的に負うべきことを定めている)し、事前面接を禁止しないと派遣労働者力、使用者をまちがえるといったこともありえない。
派遣労働者を独立した人格として認め、その意思を尊重する。
派遣労働者の保護を論じる際にも、まず必要となるのがこうしたスタンスなのである。
米国人材協会(ASA)によると、アメリカの派遣労働者数(1日当たりの平均派遣労働者数)は、1993年頃から大幅に増加しはじめ、2000年には250万人を超えるまでになった。
93年以降2000年までの7年間に、その数はほぼ倍増した計算になるが、2001年の第1四半期には、はじめて前年同期比でマイナスを記録。
その数も224万人にまで減少している。
その背景には、IT業界をはじめとする景気の低迷があるが、ようやく派遣市場の成長にも雪りが見えはじめたとの感もないではない。
これに対して、派遣事業所の数は、現在までほぼ堅調に推移している。
同協会によると、2000年には2万事業所を突破し、2001年には2万1696事業所を数えるにいたっている他方、アメリカにおける派遣市場の特徴はその裾野の広さにあり、業務のちがいを問わず市場の拡大がみられるものの、近年では専門・技術職の派遣が急増するなかで、製造業務やオフィス事務の派遣がその相対的なシェアを低下させているといった面もみられる。
また、アメリカの場合、派遣期間(派遣労働者としての雇用期間)は6カ月未満のものがもっとも多く、全体の半数近くを占めているが、1年を超えるものも約4分の1とかならずしも少なくないことが注目される。
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